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2広報ところざわ令和元年12月号▲アカマツの赤ちゃんを探して保護(左下)。将来、平地林に戻します。貴重な動植物も多く、小さな白い花を咲かせているのは、埼玉県準絶滅危惧のアイナエ(右下)。下富1456-1ほか 所沢市の北部に広がる武蔵野台地は、水が得にくく、かつては一面にススキなどの植物が生い茂る、人が住むには向かない土地でした。江戸時代になると、新田開発に伴い畑が作られましたが、元は樹木が生えておらず、乾燥しやすい土地。畑や家を風から守り土地に潤いをもたらすため、また、落ち葉を原料とする堆肥や燃料となるまきを得るために必要だったのが平地林でした。つまり、今、市内にある平地林の多くは、江戸時代以来、人々の手で植えられて大切に育てられてきた樹林なのです。 しかし、所沢を支えてきた平地林は、時代とともに開発行為や売却などにより、その姿を消しつつあります。 時代を超えた贈り物である平地林を、どのように守り未来に残していくか。それらを語るには、まず、平地林を守り再生してきた地道な保全活動を知らなければなりません。市内の代表的な平地林5カ所の取り組みを通して、平地林のこれからを考えます。 市の北端には、川越市・狭山市・三芳町にまたがった、武蔵野台地最大級の平地林、通称「くぬぎ山」が広がります。メットライフドーム約70個分の樹林に一歩足を踏み入れると、そこは別世界。まちの喧けん噪そうから離れた樹林には、今では希少となった動植物が数多く息づいています。 しかし、過去にはこの地に産業廃棄物処理の焼却炉が建てられ、多くの自然が傷ついてしまいました。傷ついたくぬぎ山を再生するために、15年前に市民・環境団体・有識者・行政が参加した協議会を発足。力を合わせて保全活動に取り組み、平地林の一部を開発ができない特別緑地保全地区に指定しました。現在も、豊かな自然を後世に引き継ぐため、定期的な下草刈りや外来植物の除去などが行われています。 ここでは、協議会が立ち上がる以前から、地域の子どもと保護者が参加するこどもエコクラブによって平地林の手入れが行われていることも忘れてはいけません。伐採と更新を繰り返すことで維持されてきた平地林は、手入れ無しにはその姿を留めることができないのです。江戸時代から受け継いだ環境を守るための活動を通して、次代を担う子どもたちは、植林した木々と一緒にすくすくと育っています。所沢にこんなに大きな森があることを知ってびっくり!虫に触さわれるようになってうれしかったです。こんな楽しい平地林が、ずっと残って欲しいです!駒ケ原特別緑地保全地区旧鎌倉街道沿里山保全地域北中ふるさとの緑の景観地若狭山の神市民の森・地蔵市民の森小手指ふるさとの緑の景観地0201040305 狭山丘陵をはじめ、豊かなみどりが魅力の所沢市。ふと、目をやると、住宅地の中など、私たちの暮らしのすぐ隣にも樹木が生い茂った場所が点在していることにお気付きでしょうか。それらは「平へい地ち林りん」と呼ばれ、江戸時代から所沢の人々の暮らしを支えてきた木々です。 時代を超え受け継がれながらも、ひとたびは失われかけた平地林。その歴史と再生をめぐる取り組みをご紹介します。問みどり自然課☎2998-9373voice▶公共交通機関をご利用ください▶植栽地は歩かず、林道を散策してください▶平地林の動植物は持ち帰らないでください▶家庭のペットや植木を捨てないでください◎詳細は、市HP(みどりのマップ)をご覧ください。-01・駒ケ原特別緑地保全地区 -こどもエコクラブ嶋田七なな望みくん(小学2年生)平地林を訪れるときのお願い時代を超えた贈り物武蔵野台地最大級の平地林特集平地林~身近なみどりの正体~

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