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4広報ところざわ令和4年1月号岩崎の上町・中町・下町が力を合わせて守り、受け継いできた地域の宝が岩いわ崎さき簓ささら獅し子し舞まいです。別名「火ひ伏ぶせの獅子」とも呼ばれ、悪魔除けになると、古くから親しまれてきました。三人の舞手が獅子頭をかぶり、腹にくくりつけた太鼓を打ちながら舞い踊ります。太鼓を体の高い位置に締め付け、突くように鳴らすのが特徴。そのほか、簓を擦り鳴らすササラッコ、棒使い、山やま伏ぶし、はえ追おい、笛の役があります。保存会には小学生から80歳まで約60人が所属しており、月一回の練習に励んでいます。大所帯ではありますが、メンバーの高齢化も進み、後継者確保の問題は無視できません。地域の小学校にも協力してもらい、新規メンバーを毎年募集しています。伝統芸能というと、経験を積まないと受け継ぐことができないというイメージがあるかもしれませんが、岩崎簓獅子舞では、ササラッコは小学生が、棒使いなどは小中学生が担当しています。さまざまな世代が舞の中に入って一緒に作り上げていく、その過程で地域の絆が深まっていくのを感じます。新型コロナの感染拡大で、10月の瑞ずい岩がん寺じでの奉納は二年連続で中止に。私は今年度から会長となり、今後の獅子舞の在り方を模索中です。ようやく練習を再開できましたが、まだ全員がそろう状況ではありません。練習が全くできないころ、今後について皆で話し合う機会がありました。その場で共有したのは、「とにかく続けていこう」という思いです。先人たちがつないできた伝統をここで終わらせるわけにはいかない。基本の型は守りつつも、演者の個性が反映されるような魅力ある獅子舞を探っていきたいと考えています。地域のつながりが希薄になっていると感じる昨今、岩崎三町をつなぐものが岩崎簓獅子舞です。獅子舞を通じて生まれた絆は、いざという時に頼れる人がいる、そんな地域づくりの一助となっています。瑞岩寺での奉納の際には多くの地域住民の皆さんが訪れ、地域に愛されているのだなと感じます。地域の宝を地域の皆さんとともに守っていく、そんな覚悟でこれからも続けていきたいですね。▲竹などを束ねた簓。ジッジッという音色が響く▲ベテランの吹き手と中学生が奏でる笛の音色が融合。世代を超えて受け継がれる伝統の1ページ▲11月下旬に行われた練習。久しぶりの太鼓を打つ手に熱がこもる

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