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ところざわ歴史まめ知識 所沢市域に関わる歴史的事項を50音順に紹介しています。今号は「む」です。 「むさしのばなし」「ぶぞうやわ」とも読みます。江戸の文人、斎さい藤とう鶴かく磯きが文化12年(1815)に出版した地誌で、幕府が編さんさせた「新しん編ぺん武む蔵さし風ふ土ど記き稿こう」とともに、江戸時代の近郷の様子を知る貴重な資料です。鶴磯は所沢に約20年間暮らし、各地を訪ね歩いて社寺や旧跡、文書や石造物などを調べ、丹念に記録にとどめました。また書にも優れ、坂稲荷の幟のぼりなどを残しています。しかし、本に掲載した内容がもとで地元の人々と摩擦が生じ、後に所沢を離れることになりました。鶴磯の没年は文政11年(1828)、墓は巣鴨の慈じ眼げん寺じにあります。 向山家は所沢の大商家で、屋号は「油あぶら屋や」、その当主は代々「小平次」の名を継いでいます。江戸時代に織物の仲買などで成長し、やがて所沢屈指の豪商として明治期には町勢振興にも力を尽くしました。金融の要として銀行を創業したり、所沢織物の品質向上のため組合を設立したり、また飛行場の設置にあたっては私費を投じて誘致を進めています。しかし、大正3年(1914)、日露戦後の慢性的な不況と主力の織物産業の斜陽化から、向山家は早々に店をたたんで所沢を去ります。宮本町の旧市庁舎の場所は、かつてそれと知られた向山家の豪壮な別邸があったところです。 狭山丘陵の北ほく麓ろくに発して東へ流れ、丘陵をぐるりと南東に遠回りして下山口駅の東で柳瀬川に合流する小さな川です。かつて水田が広がっていた流域一帯は、昭和40年代から開発が進み、住宅地に変わりました。家々の間には今でも多くの細い支流が残っていて、丹念に歩くとかつての自然がしのばれ、興味深いものです。地元の人々がお金を出し合って川に石の橋を架けた、そんな事情を伝える石橋供養塔が多いのも特徴です。武む蔵さし野や話わ向むこう山やま小こ平へい次じ六むつ家や川 北秋津 増田 哲 私のふるさと京都には数々の桜の名所がある。ふるさとを離れ、所沢の住民になったのは、40年あまり前のこと。現在の所沢駅東口付近にあった桜の大木や、長ちょう者じゃ久く保ぼ公園内の桜、東川の桜並木などふるさとを思い出させてくれる桜が私を迎えてくれた。桜の季節になると、現役時代は散歩やジョギングをしたり、また定年後のヘルパー時代には通院の行き帰りに会話にも花が咲いたことが思い出される。障がい者となった今は、デイサービスの中から毎年桜を眺められることに感謝している。 上新井 並木 盛通 春を代表する花「桜」。寒くて長い冬を耐え抜いて、淡いピンクの蕾が少しずつ、ほころびてくると、心地よい春の訪れを感思い出の桜春の花「桜」◆テーマ「桜」◆◆◆34む問い合わせ 生涯学習推進センターふるさと研究☎2991‒0308 52991‒0309ないわ…』と言いながら、とっても喜んでくれました」と笑顔がこぼれます。 震災以降、福島の自宅には7回しか帰っていません。おいしい作物を作るために何十年もかけて耕してきた土も、もう戻ってきません。「土地や家はどんどん荒れていき、むなしさが募ります。福島でも所沢でも、安心・安全はもちろん、喜んでもらえるおいしい作物を生産することが農家としての私のプライド。いつかはまた自分の農地を持って、土づくりからイチゴを育てたい」とふるさとへの思いを胸に、前へ進みます。「もう農業はできないだろうと思っていましたが、まさにイチゴが繋いだ『一期一会』。所沢で出会った多くの方々の協力のおかげで、目標への最初の一歩が踏み出せました」と語る横顔からは安堵の表情が垣間見えました。 中島さんの思いがこもったイチゴ一粒一粒が、震災からの復興の希望の光となることを願わずにはいられません。3月11日からの再出発~イチゴに希望を込めて~▲市内で初収穫したイチゴと中島さん中島 正弘さん(中富南在住)▲「つながる心が世界を結ぶ」をテーマに今年で18回目を迎えた『所沢市国際交流フォーラム』。着物やチマチョゴリなど民族衣装で華やかに盛り上がりました。 3月10日㈰/市役所1階市民ホール (撮影:市民カメラマン・佐藤清一郎)▲斎藤鶴磯の墓▶市内に本拠地があるバレエ団の協力のもと行われた『市民教養セミナーバレエ入門講座』。バレエの歴史や衣装について学び、ストレッチの体験をした後、教室内で披露されたパフォーマンスに思わずうっとり。 3月14日㈭/生涯学習推進センター (撮影:市民カメラマン・津田資雄)広報 平成25年4月号 6真・原稿は返却しません▶住所・氏名(ふりがな)・電話番号を明記し〒359-8501広報課「みんなのひろば」係へ郵送または hiroba@city.tokorozawa.saitama.jpひろばばの

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